55万円のピアノ
45年前。
5歳の私は、ピアノが欲しくて欲しくて、毎晩のように母にお願いした。
母 ➡️アップライトのピアノ購入。
私 ➡️ ルンルンでピアノ教室へ…が、2年でやる。
当時のピアノのお値段 ➡️ 55万円。
50歳を過ぎた今でも、母からはチクチクと小言が。しかも、私の子どもを通して💦
「あのピアノ、55万したんよー。ハナちゃんのお母さんがどーしても欲しいって言うからさぁ。おばあちゃん頑張ったんよ」
もはや、イヤミ💦
そんなピアノを、先日ついに手放すことになった。
「ピアノ、処分しよかなぁー」母の衝撃発言!!
母は現在80歳。
物持ちが良すぎて、私の赤ちゃんの服、おもちゃ、幼稚園の工作…ぜんぶ綺麗に保管している。
「もう捨てたら?」などと言おうものなら、
「ほんま、あんたはすぐ捨てようとする!」
「まだ誰か使うかもしれへんやろ!」
と返ってくるのが毎度の流れであった。
そんな母が突然、
「ピアノ、処分しよかなぁ」と言ったのだ。
え?今なんと?
あれだけ“55万のピアノ”を守ってきたのに?
「孫が使うかもしれん!」と怒っていたのに?
ピアノ一括査定サイトへ
これはチャンス到来。
すぐにピアノ一括査定サイトへ登録した。
「YAMAHA アップライト 昭和54年購入 型番〇〇 一軒家の2階」と入力。
5分後には3社からメールが届く。(早!💦)
業者からのメール内容。3社とも「一度査定させてほしい。」
ここで大事な業者の見極め。
1 査定は無料
2 査定後、金額が下がらない
3 キャンセル料なしの安心条件
※ これらがきちんと約束された業者かどうかを見極める
3社ともメールの内容は変ではなかったので、査定日は同じ日にし、A社10時、B社11時、C社13時で予約を入れた。
本音を言えば3社同日の同時刻で「イッセーノーデ」で同時に金額を出させたかったが、そんなキモの座ったやり取りをする度胸はない。
査定当日
A社
ピアノの音や中をチェックし、搬送ルートを確認し。2時間後に電話で査定額通知しますとのこと。
結果:33,000円
C社
同じくピアノの音などを確認。その場で本社にピアノの状態を連絡。本社とのやり取りをし査定額をその場で提示。
結果:35,000円(ここで契約)
どちらの業者も最後に、
「他に処分したいもの、貴金属とかありませんか?」と柔らかく聞いてきた。
しかし実家には“物が捨てられない母”がいるので、「今回はピアノだけで」ときっぱり断った。
そして問題のB社・・・
玄関を開けた瞬間、
「他の業者も呼んでるんですかぁ?」
「普通は何社も呼んで査定しませんけどねぇー」
「で、他はいくらって言ってはるんですか?それによってねぇー」
「ピアノ以外、なんか処分するものありません?ガラス玉でもいいですよ」
え、あなた、まだピアノ見てませんよね?触りもしてないですよね?
完全に上から目線で、私の心は沸々と煮えたぎり、顔は能面。
妹が横にいてくれ、アイコンタクト(ここは無し💢)
学んだこと
今回の目的は「母の終活」。まるで、母の気持ちを無視した強引なやり方に見えるだろうが、やはり母の元気なうちに家を住みやすくしてやりたい。いらないものを処分して、少しのお小遣いになれば、母にとっても良いのでは?と思ったのは私の自己満足かもしれない。
母の本当の気持ちは「売りたくなかった」かもしれない。でも「置いていてもなぁ」ってとこだろうな。
今回で学んだことは
思い出や損得感情に流されるとブレる
小さい頃の中途半端な「ピアノに対するおねだり」の罪悪感も、
「55万が3万5千円」になった悔しさも、横に置いた。
ピアノが引き取られた後、母が一言。
「あのピアノ、象牙って店の人言ってたんやけどなぁ。3万5千かぁ・・・」
ごめん、ほんまごめん💦お母さん。(心の中で謝罪)
今度から、母から言われる嫌味は「あのピアノ象牙やってんけどなぁ」に変わるんだろうなぁ💦
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