四字熟語の奥深くには・・・

【子どものこと】

この4月から就職で一人暮らしを始めた息子がゴールデンウィークに帰省した。

去年の10月の就職試験。

どうなるかとそばで見守ってきたが、最終面接に合格し、今の会社の内定をもらうことができた。

息子はコミュニケーション力が乏しい。

1歳半の時、保育園の先生から「お母さん、お話が・・・」と言われてから、二十歳を迎えるまでの出来事が脳裏に蘇る。

「ん?この子は何か違う?」と思った19年前。長女が2歳半、息子が1歳の時。

息子は双子なので(二卵性)もう1人相方がいる。

してはいけないのだが比較対象がいるもので見比べてしまう。

「いないいないばぁ〜」あれ?笑わない。長女と双子の次女はケラケラ笑う。

「お菓子食べるひと〜」拙い言葉で、長女・次女は「はぁい」と手をあげる。息子は、ん?反応なし。

ママがトイレに行くと、泣いて長女・次女はついてくる。あれ?息子さん。ん?どこ見てるの?天井?

あまり反応しない、声をあげて笑うこともしない息子に、耳元で「おーい」と声をかけてみる。振り向かない。耳が悪いのかな?

しかし台所でお菓子の袋をピリっと開けた瞬間振り向く。「怖!聞こえているよなぁ。」

そんな矢先に言われた保育園の先生からの言葉。

「お母さん、お話が・・・一度、保健センターでご相談された方がいいかもしれません。」

この時の私は「何?何?先生、この子何かしましたか?うちの子普通ですよ!」という世間体を気にする母の顔

「わかってくれますか?先生。この子何かが違うのです。」憔悴した顔で助けを求める母の顔で入り乱れていたはずだ。

3歳すぎにやっとついた診断名が「広汎性発達障害」。

あれから紆余曲折。波乱万丈。右往左往。

どの四字熟語が当てはまるかわからないくらい様々なことがあった。

でもそれらの四字熟語の奥深くには

   息子からもらった「優しさ」があった。

   兄弟の「思いやり」を見ることができた。

   家族の「絆」ができた。

   周りの人からの「助け」を得られた。

無知だった私は、いつか治るだろうと病院を駆けずり回り、心の器に溜まった水が溢れ出そうとしていた。

そんな私のそばに、息子は自分の小さな手で、私の指を握って離さずにいてくれた。

「あー、この子はこの子なんだなぁ。」

あれから19年・・・1人で旅立つ日が来てしまった。

さぁこれからは、あなたも様々な四字熟語に出会うでしょう。

「大丈夫。大丈夫。なんとかなるさ”ケセラセラ”今のこの一瞬は今しかない!だから今を楽しんで!」

四字熟語ではないけれど、 前を向ける言葉はいっぱいある。                

あなたが旅立つ日の朝に台所の端で一人号泣してしまった私に向けてこの言葉を贈ろう!

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